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制作秘話 82

《其の八十二》

小説を書きたいけれど、どうやったらいいか、書き方がわからない。

という声をたまに聞きます。
いや、無理して書かなくていいんだよ? 他にも楽しい趣味はいっぱいあると思うよ?

なんて言うと、身も蓋も元も子もないですので、このお悩みにせいいっぱいお答えしてみようと思います。


以前この「制作秘話」で「話を思いついても、いきなり書き始めるな」というようなタイトルでご説明したのですが、たいてい最初(か、それに近いとにかく物語の始まりの方)の場面をワンシーン思いついて、いきなり書いてしまうと、途中で「この先どうしたらいいのか思いつかなくなった」となりがちです。

なので、本文ではなく、思いついたシーンのだいたいのメモだけ書き、続きを思いついたらまたメモを書き、そのメモがたまったら並べてみて、物語のどこら辺が足らないのか考えてから、本文を書くように、というお話でした。

その「メモに書くことも、どうやったら書けるのかわからない」場合。
文章が下手なので、あいまいに脳内に浮かんでいるイメージを、文字・文にできない、ともしかして思っていませんか?

「どうやって書いたら、文が上手くなって、イメージ通りになるのか」とお悩みではありませんか?


「どうやったらいいか、どう書いたらいいか」」ではないと、私は考えます。

「何を書いたらいいか」が、実はわかっていらっしゃらないのではありませんか?

「どう」ではなく、まず「何」です。


つまりあなたの脳内のイメージは、まだまだあいまい過ぎるのだと思うのです、文章にするには。

鮮明な映像レベルに達してますか? まだ具体的な表情や姿形をとるにいたらない、つかみきれない感情だけではありませんか?
鮮明な映像でしかも動画で、せりふとナレーションまでついて、やっと文章に変換できるレベルに達すると、私は考えています。


「何」を書くかがわかっていないと、「どう」書くかは当然わからないと思います。
「何」が「どう」動いたり考えたりするかなので、まず「何」がはっきりしていなくては始まりませんよね。

経験から私も、テーマやモチーフを与えられたら、「どう書けばいいか」はすぐ浮かびますが、「何を書けばいいか」はなかなかうかびません。
「何」がしっかりとつかめるまでは、執筆には手をつけず、考え続けるだけにしています。思いついたことをときどきまとめてチラシの裏に書き散らしつつ。

はっきりと「何」を書くか具体的にいろんなことをイメージし、一言二言の単語でもいい、同じ言葉の繰り返しになってもいいから、メモに断片をたくさん書いて眺めて、それからやっと本文を「どう書こう」となるのではないでしょうか。
この段階で文章の巧拙(上手下手)は、ほとんど関係がないです。


「何」を書くかのイメージが具体的にしっかりとつかめたら、おのずと、「どうやったら」と困ることはなくなってくるんじゃないかと思うのです。

もしもまだ「どう書こう」と困るようでしたら、まだまだ「何」が足らないのです。
さらには「なぜ、この『何』を書きたいのか」も考えてみたら、いいかもしれませんね。「なぜ」ですよ?

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