風の鳴る音
既刊情報
制作秘話93
かぐや姫の罪と罰
制作秘話92
竹取物語ネタばれ
制作秘話91
一番大事なこと
制作秘話90
小説家へのルート
制作秘話89
読みやすい小説を書くには
制作秘話88
平氏は本当に滅びたのか(ネタバレ)
制作秘話87
平家物語の名前
制作秘話86
「細かい」仕事
制作秘話85
意外な上達のコツ?
制作秘話84
物語創作最大の難関
過去の制作秘話一覧
中高生むけの作品

既刊の案内と情報はこちら

 

制作秘話 68

《其の六十八》

「ベスティアの聖乙女」の名前の由来とか設定とかです。
ネタバレですので、前巻「アヴィス」ともども未読のかたはご注意くださいませ。


先にネタばれの少ないところで、名前の由来ですかね。

まずルディ。彼女の本名は「マンリョウ」という植物の学名からです。
お正月の生け花によく使われる赤い実で緑のつやつやした葉っぱ……そう、名前考えていたときにうちの床の間にあって目に入ったから、お正月で(笑)


イフェイオンは花ニラという植物からです。ユニフォルムという名前で花屋さんにあるかもしれません。これは語呂で選びました。

フェイは前巻「アヴィス」から設定があり、出そうと思っていたキャラなので、出せて本当によかったです。
美形ですが言葉遣いがべらんめえ、というのをやってみたかったんですよね。


ウルケウスはラテン語で「水差し(ピッチャー)」という意味です。水源と同時に、山の形もきっと似てるんだと思います。

ベスティアは単に「生きもの」「獣」という意味。名前を言うのも恐ろしいので、「あの獣」程度に呼ばれていたことから。
「水の蛇」という意味があるのは、守護神の本名の方です。

今回のタイトル「ベスティアの聖乙女」には「生物学好き」という意味も込めてみました。


前のとき書かなかったかな、ナンディーナは南天、ヴィンカはツルニチニチソウ、どちらも考えているとき近所のおうちの庭先で目に入った植物です。


知ってると便利な? 設定の説明。

この世界、聖乙女は15〜17才と決められているのですが、花婿候補の方には、年齢は決めてありません。

「子孫繁栄」の意味(笑)がわかり、男性として機能すればOK、です。なので前巻でヴィンカが「年下の花婿のケースも」と言ったように、12才という記録もあるらしいです。
とにかく家の跡継ぎの問題ですからねえ、周囲の大人は本人以上に必死になるでしょう。

もっとも、周囲の大人も精神的な成熟度を判断して許可を出すので、前巻のジュジュの15才というのは近年では若い方みたいですね。
だいたい16〜7才からです。


まあ、前巻で説明されているとおり、どの家も跡継ぎはタダ一人と人数が少ないので、たいてい一回で結婚相手は決まります。そのための「守護神の水」ですし。

セネキオのフォンス家だけ、彼のひいおじいさんが双子だったため、とくに格式に区別をつけない本家と分家に分かれています。


この花婿候補となる貴公子たちの学校教育は5才開始で13才終了、14才になった日から職務に就きます。

四尊家と王家に女子はいないので設定もなし、庶民はおおむね男女とも12〜3才で寺子屋みたいな私塾卒業でしょうか。
その後は徒弟制度などになります。


執政官、詳しくは書いてませんが、男女の区別はありません。定員は20名。ただし今は男性が多い日本の議会みたいなかんじ。
たぶんルーフスが宰相になったら、女性の登用が増えると思います。

本来は親政、つまり国王直接統治の国ですが、現状は四尊家当主達と摂政ナンディーナと執政官とが協議して決め、王の承認をもらっている、これにルーフスが三年前から加わり始めたということで統一とれてなかったんです。

今までにない「宰相」という国王に次ぐナンバー2を仮に置き、協議の最終責任者とすることで、王の負担を減らす(現王は病床、世継ぎのターシェはあとしばらくはまだ跡を継がない)仕組みをまもなく取ります。


四尊家の夫人(もとの聖乙女)たちは、あの水のおかげで政治の表に出てこないのですが、リナリアやルディは専門知識があるため、積極的に参加してくるでしょうし、セネキオやジュジュもそうしてもらいたいと考えるのではないかと。

この巻でジュジュが野営の夜に懸念していたようなこと(隣国との技術進化の差)が、未来の問題として出てくるでしょうから。

(C)2005-2017 Yui Tokiumi all rights reserved