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《其の六十五》

このコラム、月の半ばとかに更新してきたのですが。
新作のネタバレを書くのに発売日が下旬とか月末とか1日のお仕事を、最近と今後しばらくしているので、ネタバレなしのときでも更新はそのころにしますね。

常に三つか四つの作品世界を抱えて仕事をするようになって、もう何年かになります。

草稿というかゼロから書く第一稿だけは、その作品に集中しますが、それ以外の時間はホントに同時進行してます。第一稿の修正をしつつ、その前に書いた原稿の校正やイラストチェック販促作業(ちらしや書店さんに飾るもののコメント書く)、次の作品のプロット作りと資料読み。
脳内はけっこういつもぐちゃぐちゃ(笑) さすがに五つ同時になったら、ちょい役キャラの名前を取り違えてしまった(苦笑)

脳内ぐちゃぐちゃはともかく、実際の物理的な仕事用メモと資料をどうやって管理するか、ですよね。
パソコンの中はファイルごとフォルダに分ける、それだけですけど。


私の場合、作品ごとに分けてトートバッグに入れてます。パソコンとそれだけ持てば、図書館へすぐ行かれるように。
大きめのトートバッグに、手書きのメモを入れたファイルブック、資料の本、何か思いついたり打ち合わせの電話がかかってきたときメモを取るための紙(要らないプリント)を数枚はさんだクリアファイル、ボールペン(黒と赤)、バックアップFDと、一セット入れておきます。

進行している仕事の数だけこのトートバッグは存在し、保留になってしまっても刊行あきらめないうちはそのまま部屋の片隅に置いておきます。

完全に終わったら、中身を入れ替え、メモ類は取っておきたいもの(手元保存のゲラと一緒に要らない封筒へ一つにして専用の段ボール箱へ)をのぞいて捨て、本は本棚へ、FDは専用のケースへ、バッグやファイルブックの外側とかはまた次の作品に使います。

以前、自宅のパソコンで書いていたときは、百円ショップで買った紙のファイルケースで管理してたんですが、図書館で書くようになってからはバッグです。

トートバッグって、エコブームで案外もらうんですよね。あと、フリマで安く買ったり。
私は大きくて丈夫な布のだけを選んで使ってるんですが。なのでどれも、会社名とか商品名入ってたりするけど、気にしない(笑)
たぶんお店でちゃんと買ったら千円以上なんでしょうけど。


脳内ぐちゃぐちゃに関しては、どうしようもございません(笑)
あきらめて、うたかたのように浮かぶとりとめないアイディアを片っ端から紙に書いて物理的な存在にし、すぐにファイルへ整理するかパソコンへ入力してしまう。
あとは以前ここで書いた作業へと繋がります。

とにかく、脳内から出してしまう、どっかへ消えちゃわないうちに。
自分でもよくまあ同時に複数の世界にいられるよな、と感心します。デビュー前とかデビュー直後しばらくは一つの世界しか見えてなかったから、必要に迫られて慣れたんでしょうね。


が、問題がありまして……。
この複数の架空世界と、現実の私の体が生きている世界のやらねばならないことが、脳の処理的に同程度の扱いになるんです。現実と架空の区別が薄れた状態(危ない)

つまり、現実では私はそうとうにぼけっとした(脳内で別の世界を探索中)、会話が細切れな、挙動不審のやばい人物なのです。

突然意味不明なことをつぶやいて、ものすごいスピードでメモを取る、いままでやっていた極めて現実的なことを中断して。しかも「話しかけないでっキャラの声が聞こえない!」とか電波なことを口走ります。
当然、他人から心配されたり、迷惑かけたりします。交通事故だけはおこさないようにしなければ……(汗)

「小説家ってのは変人だ」という世間のイメージ(?)を私が強化していたら、同業者の皆様ごめんなさい。

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