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制作秘話 63

《其の六十三》

今回は「アヴィスの聖乙女」の世界観について、解説します。
ネタばれがございますので、未読の方はご注意をお願いいたします。


この物語はいわゆる中世欧風異世界ファンタジーとして、書きました。
剣と魔法とドラゴンの世界。
妖精や精霊は出てきません。国ごとの一神教です。

とはいえ、ものの考え方や用語は日本人に判りやすいかんじにしてみました。
異世界ですから、自由度は高いです。その代わりしっかりした世界観を作らないと、と思いました。

中世ですから、ヒエラルキー(身分制社会)であり、宗教が政治と密接に結びついて権力を持つ世界ですね。


地名や人名などの固有名詞はすべてラテン語由来です。
というか、人名は植物の学名からとりました。それ以外はラテン語の辞書と闘ってけっこう直訳っぽくつけてます(笑)
しかしaとsで終わる単語が多すぎて、まずったかなとか思ったり(笑)

けっきょく解決策として、アッキピエンスの女性名はすべて、父親や血縁の男性名にaをつけ加えるだけ、という設定にしました。

レミアの本名は百日紅(サルスベリ)の学名です。
こんなところにも実は「紅」が隠れていました(笑)

セネキオは白妙菊でして、逆に白くしようと思ったんですね。
ジュジュは棗(ナツメ)。リナリアは姫金魚草。
どれも名前を考えていたとき、道ばたで目に入った植物でした。

アグロステンマは「大地の冠」という意味で、翼を意味する「アヴィス」の天とペアのイメージになるようにしました。
守護が水と火、というのも対照的になるように。

衣装の読み仮名はフランスの衣服の歴史用語を主な参考にしてます。
眼鏡(ブリレ)だけはやっぱり言葉がラテン語や歴史用語になく、フランス語では「メガネ恋。」のリュネットだし。けっきょく現代のドイツ語にしました(笑)


この世界の動植物は私たちの知っている動植物ととてもよく似ていますが、全てびみょーに異なっている、という設定です。
夜空には月がない、そのかわり星がとても明るく、数も多く、星雲も肉眼でいくつも判る、というイメージです。

時間の概念とかはややこしくなるので我々と同じにしましたが、季節は乾季と雨季と風の季節くらいにしてみました。
そのへんは、全然反映できませんでしたけれど。

はじめて書いてみた中世欧風異世界でしたが、いかがでしたでしょうか。

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