風の鳴る音
既刊情報
制作秘話93
かぐや姫の罪と罰
制作秘話92
竹取物語ネタばれ
制作秘話91
一番大事なこと
制作秘話90
小説家へのルート
制作秘話89
読みやすい小説を書くには
制作秘話88
平氏は本当に滅びたのか(ネタバレ)
制作秘話87
平家物語の名前
制作秘話86
「細かい」仕事
制作秘話85
意外な上達のコツ?
制作秘話84
物語創作最大の難関
過去の制作秘話一覧
中高生むけの作品

既刊の案内と情報はこちら

 

制作秘話 59

《其の五十九》

テーマとモチーフと要素、書き手によって定義が違うらしいんですが、ここは時海の考えということでよろしくなのです。

この作品のテーマはナンですか。
インタビューされそうな質問ですよね。されたことないけど。

テーマは「この作品で一番書きたいこと」だと思ってます。
これがなければ、そもそも書けない。

だからなんでもいいんです。
「とにかく、せつないラブシーンてんこもりにしたい」でもOK。
具体性がなくたって、かまわないんじゃないかな、と思います。


では、モチーフとは?
テーマを表現するのに合った具体的な材料、でしょうか。
時代背景、主人公の立場、葛藤の設定、特殊能力、ネタ、小道具。
いろんなものが考えられるけれど、三つもあればさしあたって私はOK。

「三題噺」というのは、このモチーフがばらばらなかんじで三つある、ということでしょう、それにテーマを組み合わせれば、話が作れます。
まあ、ジャンル指定があった方がよりいいかも。


そして、要素です。
私は「成分」と呼んだりもしますが。
「恋愛成分」とか「主人公のモチベーション形成」とか「友情」とか「アクション」とか。

この成分を表現するために、こういうシーンをストーリーのこの場所に作り、3ページを使う。
そういう風に考え、私はちまちまと書いてます。

成分を注入するためのシーン、あるいはイベントの積み重ねで、結果、一作の小説ができあがります。

つまりひとつひとつのシーンには、小説を構成する成分としての、明確な目的があるわけです。
イベント、つまり主人公と相手キャラの心が近づくための会話の場面、となればよりイメージが湧きやすいかなと思いますが、いかがでしょうか。

ほかにも、伏線にここで5行、とか、設定の説明に10行、とか細かく細かく分割して、順序よく並べて積み重ねていくんですね。

だから、「あ、全体に、せつなさ成分が少し足らない。ばらまこう」とか「ここ、設定の説明不足。ここでやらないとまずい」と後から足して調整したり。
「これ、要らないよな、読者さんをミスリードしちゃう割に、結局後で何の役にも立ってない」と削ったり。

かなり細かな「成分」という部品を、きっちりと隙間なく無駄なく美しくなめらかに組みあげる、そんなイメージで書いてます。

(C)2005-2017 Yui Tokiumi all rights reserved