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制作秘話 48

《其の四十八》

打ち合わせ、というのは雅楽で、演奏前に音をあわせることが語源だと、雅楽の取材の時に伺った気がするのですが。「あさき」の資料を全て書架にしまってしまったため、メモが見つからない……。

ともかく、打ち合わせです。
小説家と担当編集者さまが一緒にすることといえば、打ち合わせがほとんどです。
作品の内容に限らず、雑談というか、今どんなことに興味があるとか流行の情報交換とか、そんなのまで含めての打ち合わせ。

面と向かってすることもあるし。レストランでご飯食べながらとか喫茶店でお茶飲みながらとか、編集部の会議室でとか。

電話ですることもあります。地方に住んでいる私はこれがほとんどです。
左手にケータイ、右手にボールペンで、用意した紙にメモをとりながら、しゃべり続けます。
下手すると何時間かの長電話。
いつ電話が来てもいいよう、常に紙をたくさん身近に持っていないとなりません。私はいらなくなった資料の印刷の裏に書いて、ファイルブックに入れます。

しっかり話しあうことがあって、長くなりそうなときは、あらかじめ担当さまから、時間の都合を尋ねるメールが入ります。なので、こちらも資料とか原稿とか手元に用意しておきます。


一冊の本ができるいろんな段階で、打ち合わせがあります。
まず、アイディアの段階。小説の場合、基本的なアイディアは、多くの場合作者から出します。こんなの書きたいのですが、どうでしょう、と。

おもしろそう、となると打ち合わせです。
担当さまと二人、あっちこっちに話が脱線しつつ、いろんなアイディアを出しあいます。
既にこんな小説や漫画がある、そんな映画を見たことがある、などとお互いに情報を出しながら、オリジナリティのある企画をまとめます。

それから、プロット。
企画が編集長さまに認められたりすると、詳しい設定やキャラやあらすじを作者が作ります。これもできあがったら、打ち合わせ。
ここはこうした方が、という担当さまの意見をうかがって、修正案をその場で出したり、迷っているところを担当さまに相談して二人で考えたり。そしてプロットを完成させます。

プロットに基づいた原稿ができて、担当さまの感想を聞いて、修正すべきところを打ち合わせ。一番緊張します、私は。
これが何回かくりかえされます。


そして、イラストや場合によっては販売の宣伝に関係することも打ち合わせです。担当さまと一緒に取材に行くときも打ち合わせ。

一冊につき、すくなくても5〜6回の打ち合わせがあります。
簡単なやりとりはメールだったりしますが、しゃべる方が速いですし、気持ちも伝わりやすいです。
二人で話をしていくことで、いろいろなアイディアが出るのですよね。

原稿は担当編集者さまとの、二人三脚でできあがりますので、お世話になりっぱなしの身としては、東京方面に足を向けて寝られません。

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