風の鳴る音
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制作秘話 3

《其の参》

多くの皆様が「颯音かっこいい」とおっしゃってくださり、とてもうれしいです。
彼のかっこよさ? の秘密を分析してみましょう。
題して、「無くて七癖の颯音くん」(笑)

颯音といえば、でかいだけでなく、妙に存在感があるキャラですが、これは意図して癖や特徴を持たせることで作りだそうとしています。
まず、前髪かきあげ。
それから彼は鳴の髪に触るのが好きです、よく観察すると。
まだ皆様のお手元に届いていない今後の作品でもやってますから、気をつけて読んでみてください。
鳴には櫛をプレゼントしてますよね。
髪の毛に触るというのは、古代から意識された一種の生命力回復の呪術です。
爪と髪というのは、切られても痛くないし、死んだあとでも少し伸びることがあるんだそうです。
皮膚が弾力を失うので、相対的に伸びたように見えるのかもしれませんが。
そこで古代人は髪や髪の毛に使う櫛をマジカルアイテムと考えました。
それは現代でも続いています。
戦国時代の女性の髪が長いのも、生命力を保護する意識があります。
ただ、困ったことに髪型のバリエーションが少なくて、イラストの増田恵さまにはゲストキャラの髪型でいつも悩ませてしまってます。すみません。
印字打ちは壱之帖のあとがきに譲るとして、指で石を回すのは、ただのかっこつけみたいです(笑)。

次にしゃべり方です。
朴念仁でぶっきらぼうこの上なし(苦笑)。
ちなみに時海的には、彼の声はバリトンです。
どうしてぶっきらぼうにみえるかというと、語尾ですね。
銀と比べてみるとお判りになるかと思います(銀といえば、むやみやたらに明眸皓歯が光りますが・笑)。
それと批判や悪口はあからさまに言わせていないつもりです。
ついでにいうと、鳴はソプラノでまどろっこしくしゃべります。
ここに一例。
庶民というか現代の少女なら「そんなことなんて、あるわけないじゃない」と言うところを、鳴は「そのようなことなど、あるわけではないわ」と言います。
鳴しゃべりが本文を読みにくくしていたら、ごめんなさい。

それから小道具。
時海はキャラクターに意図して小道具を持たせます。
そのキャラの思いや性格や過去などを象徴するものです。
颯音は一節切の笛と小石。鳴は懐刀。
由科の太刀や銀の花、妙のくるすもそうです。
参之帖でもそんな視点で、小道具の使い方をチェックしていただくのも一興かもしれません。

おまけとして颯音は家事全般が得意で、一芸でお金を稼ぐ生活力もあります。
これは単に鳴があまりに何にもできないから、一緒に暮らしたら困るだろうなという作者の親心? で設定されました。
彼が(鳴もそうですが)護身術と推理・洞察力に長けているのは、この物語がミステリー文庫のラインナップだからで、雑学に詳しいのは、時海がそれに興味があるからです。
あと彼は傷跡があったりよくけがをしていますが、それは男っぽさの効果をちょっと狙ってたりします。
反対に、鳴の「玉の肌」には傷をつけないようにしています。
時海も女として、お肌に傷跡が残るのはいやですから(笑)。
女としては、鳴もお風呂だって入りたいだろうし(しずかちゃんかい)……っと、話が逸れちゃいました(汗)。
これで顔が良くて中途半端な超能力者で、辛い過去を持っている颯音。
……要するに、一言で表せば濃いキャラなんですね(笑)。

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