風の鳴る音
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制作秘話 1

《其の壱》

最初ですから、キャラの名前の由来をご紹介しましょう。
大学で考古学を勉強していたころ、私はたまたま、とある貝塚について資料を調べていました。
すると資料の地図に「佐鳴湖」という小さな湖を発見したのです。
「さなるこ、なんて素敵な響きなんだ」と、そのときちょうど考えていたストーリーの主人公たちの名前に、即刻採用しました。
室町時代に描かれた絵巻物のワンシーンと、戦国時代の砦の発掘資料の二つから閃いたストーリーでした。
「ヒロインは鳴姫、ヒーローは『さ』がつくかっこいい名前で、鳴とペアになる感じ」。
少し考え、「音、さ音にしよう」と決まりました。
「さ」の字を「颯」にしたのは、ライバルの名前を「はやて」に決めてからです。
弓道では矢を二本ずつペアで射るのですが、鳴がヒーローと最初に出会うシーンで、彼に矢を向ける姿がまず浮かび、「よし、弓の名人にしよう」ということで、弓道のこのペアの矢を「はや・おとや」と呼ぶところから取りました。
だから「ライバルの名は『はやて』」で、疾風のイメージがペアになるように、二人とも投擲技の名手、こうして「颯音」になりました。
はやてに「迅」の字を当てたのは、かなり無理矢理です(笑)。
「颯」も「颯爽・さっそうの『さ』」というかなり無理がある読みでして、これは本来「そう」と読む漢字ですから。
しかも、人名では颯が「はやて」と読まれることも多いのです。
知ってはいるけれど、「まあ、かっこよければ何でもいいや」(爆)。
風をイメージしたことから、サブタイトルが「風待月」と颯音の登場にちなみ、風の音色の笛を吹くことになりました。
横笛ではありきたりなので、以前資料で見かけた記憶があった、縦笛の「一節切」を採用したわけです。
要するに、研究用の資料をこっそり利用していたんですね、私は勉強しているふりをして(苦笑)。
今も仕事の資料を密かに流用してます、すみません(大汗)。
とりあえずキャラが三人いれば、ストーリーは始まるものです。

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