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ネタばれなし

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腐女子のご先祖様

[ !さん : 2008/11/14 ]

はじめまして。
HPをひととおり見せていただいてライトノベルの歴史(?)に驚きました。
ところでいわゆる腐女子というのも江戸時代や紫式部の時代にあったのでしょうか?
なんか昔の女性も男性同士のカップリングで遊んでいたんだろうかとなんとなく思いまして、質問させていただきました。

[ 時海結以 ]

初めまして。
ようこそいらっしゃいました。

ご質問ありがとうございます。
もう少しちゃんと調べた方がいいとは思いますが、とりあえず私の記憶の限り、お答えしてみます。

かなり長くなりますので、お時間のございますときにでも、おつきあいのほど、よろしくお願いいたします。


まず、紫式部に関して、YESかNOか、と二択で尋ねられたら、私個人としては、YESとお答えせざるを得ませんね(笑)

そう考える客観的な根拠を、ふたつほど。

青い鳥版にはページの都合で載せられませんでしたが、空蝉という人妻に、光源氏は若い頃一目惚れします。
夕顔に出逢う前、頭中将から「常夏の君」の話を雨の宿直の夜に聞いた直後の十七歳の夏です。

この空蝉には年の離れた弟がいまして、「小君」と呼ばれています。源氏よりちょっと年下の少年と思われます。

当時、意中の姫の寝室へ夜忍びこむには、まず姫の女房を体でものにして、手引きさせる、というのがよくありました。しかし空蝉は身分が高くないから、たいした女房はいません。

空蝉の旦那の目を盗むためにも、源氏が執った手段は、この弟くんを手なづけ、将来の仕事の世話をするとか何とかいって空蝉を信用させ、自分の子飼いにすることでした。弟くんを自分に心酔させて手引き役に仕立てたのです。

研究者によっては、ここで、源氏は弟くんを(以下自主規制)して自分のものにし、言いなりにいた、という説があります。


もうひとつ、平安時代のある若い男性貴族の日記に、男の上司から関係を迫られ、ノンケの彼はすごくいやなんだけど、あまりに上司がしつこくてほとんどストーカー、出世のためにやむを得ず体を(以下略)というものがあるそうです、そちら方面にくわしいかたによれば。

それなんてリーマンBL本? というような内容だそうですが……。
いやホントにあるなら読んでみt(略)

つまり何が言いたいかと言うとですね、当時、同性同士がタブーという考え方はなかった、それだけなんです。
だから自然にそういう趣味の人のことを考えていても、不思議ではない、と思います。


江戸時代、お江戸の女子の好きなアイドルといえば、歌舞伎役者でした。江戸時代の初めに、女性と少年が演じるのは禁止されたため、成人男性しか役者はいません。

当然ここで「乙女系」と「腐系」な楽しみ方があったと、私は思います。
自分と○○さま、なのか、○○さまと○○さま(こっちは女形)なのか。

もともと戦国時代まで(平安時代あたりのお寺あたりから始まったそうですが)、衆道という男だけのBLな世界があるのですから、そういう雰囲気を残していたのではないでしょうか、舞台の色気として。

ええ、色気があるほうが、萌えますよね。私の想像ですが。見得を切る、という歌舞伎の仕草は、萌えを狙った、つまりそこで「きゃーっ」と観客がなることを期待したもの、なのでしょうと思ってます。

おそらくここらは、杉浦日向子先生のご著書が参考になるのではないでしょうか。


それ以降、近代現代についてですが。
20年以上前とか古い本で絶版なので、図書館とかで探していただけるとよいのですが、中島梓先生の「美少年」関連の数冊は、たいへん参考になると思います、はい。
「タナトスの子供たち」は現在でもちくま文庫で手にはいるようです。

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